ビタミンAの美容効果とは?副作用や注意点、おすすめのコスメをご紹介
ビタミンA(レチノール)は、ドクターズコスメをはじめとする基礎化粧品に含まれている美容効果が期待できる成分です。

ビタミンAは光や酸化の影響を受けやすい不安定な成分であるものの、近年では製剤技術の向上や外気に触れにくいパッケージ開発が進み、安定性のあるビタミンA配合化粧品が多数登場しています

ビタミンAはさまざまな肌トラブルを改善に導く魅力的な成分ですが、メリットだけでなくデメリットもあることを忘れてはいけません。

今回は、ビタミンAの美容効果について詳しく解説します。




ビタミンAとは?

ビタミンAとは、脂溶性(油に溶けにくい性質)の抗酸化ビタミンの一種です。

ビタミンAはヒトの体内では合成できない成分であることから、食べ物やスキンケアなどで外側から補う必要があります。

なぜビタミンAがスキンケア製品に配合されているのかというと、皮膚や粘膜を健全な状態に保ち、抵抗力を強める働きを持っているためです。

さまざまなトラブルからお肌を守り、健やかに保つ働きが期待され、欧米では40年以上前からニキビ治療に使用されている成分でもあります。

ビタミンAが化粧品に配合される場合、成分表では「レチノール(Retinol)」と表記されているケースが多いでしょう。

一言でビタミンAといっても、種類はさまざまです。 ビタミンAにはおおよそ2,000種類を超える誘導体が存在しており、誘導体の総称は「レチノイド(Retinoid)」と呼ばれています。

ビタミンAの美容効果!メリットの多い美肌づくりに役立つ成分

ビタミンAの美容効果!メリットの多い美肌づくりに役立つ成分
ビタミンAは美容効果が期待できる成分だと認識していても、具体的な効果は知らないという方は少なくありません。
実際にビタミンAにはどのような美容効果が期待できるのか、配合されたスキンケアアイテムを使用するメリットをご紹介しましょう。

ビタミンAの美容効果①:ターンオーバーを促進する

ビタミンAは、細胞のターンオーバーを促進する成分です。

ターンオーバーとは、お肌の細胞が一定の周期によって生まれ変わる仕組みを指します。

しかし、加齢や生活習慣によってターンオーバーが乱れることも多々あり、それが肌トラブルへと繋がります。

ビタミンAの働きによってターンオーバーが促進されると、お肌の色ムラやくすみをケアすることが可能です。

その他にも、皮膚のゴワつきや小ジワといった、年を重ねると特に気になる肌トラブルを改善し、お肌をなめらかにする美容効果が期待できるでしょう。

また、お肌の潤いを保つヒアルロン酸の合成も促進することから、加齢によって薄くなりがちな表皮を厚くしてくれる美容効果も期待できます。

ビタミンAの美容効果②:シミの改善

シミの原因の一つが、紫外線によるメラニン色素の蓄積だといわれています。

紫外線を日常的に浴び続けることによってメラニン色素が大量に生成されると、お肌のターンオーバーですべて排出することが難しくなります。

メラミン色素が蓄積すると、シミが発生してしまうのです。 そこで有効とされている成分が、ビタミンAです。

ビタミンAは、真皮の働きを活性化します。 お肌のターンオーバーが促進されることで、メラニン色素の蓄積を防ぐことができるでしょう。

同時に、合成を促されたヒアルロン酸やコラーゲンの働きにより、表皮を健やかで透明感のある状態に導いてくれるため、シミのないなめらかな美肌に近づけるかもしれません。

ビタミンAの美容効果③:シワや気になるお肌のたるみ改善

年齢を重ねると、お肌のシワやたるみが気になる方も増えていきます。

これらのトラブルが発生する原因には、加齢によって減少するコラーゲンやエラスチンの影響が考えられるでしょう。

コラーゲンやエラスチンが減ってしまうと、皮膚の層が細胞レベルで薄くなり、ハリや弾力が失われることにつながります

お肌がたるんで皮膚が偏ることで、シワが発生するのです。

ビタミンAは、こういった皮膚の抗老化にも効果があるといわれています。

ビタミンAはコラーゲンの生成も促進するため、加齢によって減少した成分を補う効果が期待できます。

エイジングケアを行いたいという方は、ビタミンAが含まれるスキンケアアイテムを積極的に使用すると良いでしょう。

ビタミンAの美容効果④:美白ケアをサポート

「美白ケア」を謳った基礎化粧品にも、ビタミンAが配合されています。

しかし、ビタミンAの成分そのものには美白効果はなく、サポートをしてくれるといった役割です。

皮膚には、メラニン色素が均等に存在しています。

老化や外部からの刺激(紫外線を含む)によって皮膚の組織が壊されて表皮が薄くなると、その箇所にメラニン色素が偏って存在するようになり、結果としてシミになってしまうのです。

ビタミンAは、お肌のターンオーバーを促進してメラニン色素の蓄積を防ぎます。

ビタミンAはシミを消す成分ではないものの、シミの予防や改善効果を高めることが期待できるでしょう。

ビタミンAの美容効果⑤:毛穴の詰まりや黒ずみを改善

毛穴の詰まりや黒ずみは、お肌のターンオーバーが乱れることで起こるケースが多々あります。

毛穴対策といえば、貼ってはがすタイプのパックやピーリングといった、刺激の強いスキンケアアイテムのイメージが強いでしょう。

しかし、ビタミンAはターンオーバーを促進するため、通常のスキンケアをすることが毛穴の詰まりや黒ずみ解消につながります。

具体的には、毛穴の下にある細胞が押し上げられるため、不要な角質や黒ずみが表面に出てくることになるでしょう。

ビタミンAの美容効果⑥:目の周り・目元へハリを与える

目の周りは皮膚が薄い部分であり、年を重ねるとハリ不足が気になりやすいパーツでもあります。

スキンケアアイテムに有効成分として配合されているビタミンAは、そういったハリ改善効果も期待できるでしょう。

ビタミンAは、ヒアルロン酸を生成して水分量を増やし、乾燥しにくい目元に導いてくれます

また、目元のハリだけでなくシワも気になるようであれば、ビタミンAの他に「ナイアシンアミド」が配合されているスキンケアアイテムを使うのがおすすめです。

ビタミンAとナイアシンアミドが配合されたスキンケアアイテムとW使いするのも良いでしょう。

ビタミンAの美容効果⑦:ニキビやニキビ跡の改善

ニキビは、毛穴の詰まりによって発生します。

ビタミンAでお肌のターンオーバーが促進されると余分な角質が排出されやすくなり、ニキビ予防につながるでしょう。

また、ビタミンAは一部のニキビ跡にも美容効果があるとされています。

ニキビ跡には、クレーターと呼ばれている凹みのある跡や、色素沈着が原因の茶色のニキビ跡などがあります。

その中でもビタミンAには、茶色のニキビ跡を薄くする美容効果が期待できるでしょう。

赤みのあるニキビ跡を放置すると、おおよそ半年程度の期間を経て色素沈着し、茶色いシミのような跡になっていきます。

そのような茶色のニキビ跡に対して、ビタミンAのターンオーバーを整えてメラニンの発生を抑制する働きが有効です。

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ビタミンAにもデメリットがある?副作用について

ビタミンAにもデメリットがある?副作用について
ビタミンA(レチノール)は、お肌にとってメリットの多い成分であり、実際に多くのスキンケア製品に含まれています。しかしその一方で、ビタミンAには副作用が現れることがあります。

ビタミンAのデメリットである副作用とは、一体何なのでしょうか。

赤みやかゆみの副作用が出るリスクがある

ビタミンAが含まれているスキンケア製品を使用することによって、「レチノール反応」と呼ばれる副作用が現れるケースがあります。

レチノール反応は、「レチノイド反応」や「A反応」と呼ばれることもありますが、症状としては同じです。

レチノール反応とは、お肌にビタミンAが補給されたことによって、お肌が過剰に反応することです。

具体的には、お肌のかゆみや乾燥、それに伴う皮むけやヒリヒリする感覚といった不快感が現れるでしょう。

これらの反応はアレルギー反応ではなく、正常なお肌に起こる生理反応だといわれています。

レチノール反応を過剰に怖がる心配はありません。 また、副作用は必ず出るというものではなく、レチノール反応がない方もいます。

使い始めは要注意!辛いときには医師に相談を

レチノール反応は、ビタミンAを含むコスメを初めて使う方や、敏感肌の方に出やすいといわれています。

レチノール反応は、ビタミンAを含むスキンケア製品を使用し始めてから2~3日程度、人によってはもっと後になってからお肌に変化が現れるケースも珍しくありません。

スキンケア製品を使用している期間中、レチノール反応がずっと出ているわけではないのです。

お肌に十分なビタミンAが貯蔵されると、症状は次第に治まります。

レチノール反応が出る期間には個人差があるものの、継続使用して3~6週間程度で自然に治っていくでしょう。

症状がひどかったり、長引いたりするのであれば、我慢せずに医師やクリニックに相談してください。

ビタミンAの美容効果を実感できるまでの期間

ビタミンAは、お肌にとって非常に魅力的な美容効果が期待できる成分です。

しかし、即効性は期待できないため、ビタミンAの美容効果を実感するまでには、最低でも数週間はかかると考えられています。

数日使用したからといって劇的な美容効果が実感できるというものではないため、少なくとも数ヵ月間は使い続けるようにしましょう

ビタミンAには2種類ある?「守り」と「攻め」のビタミンA

優れた美容効果が期待できるビタミンAには、お肌を強くする「守りのビタミンA」と肌細胞を活性化させる「攻めのビタミンA」の2種類があります。

ここでは、それぞれの違いと、ビタミンAの効果的な使い方をご紹介します。

「守り」のビタミンAとは?

ビタミンAの中でも「守りのビタミンA」といわれているのが、「レチニルエステル」です。

プロピオン酸レチノール、酢酸レチノールなどのビタミンAは、お肌の中でレチニルエステルという種類のビタミンAに変化し、「守りの作用」を発揮します。

具体的には、いつもよりお肌が敏感なときや日差しが強い時期に、紫外線からお肌を守る働きが期待できます

守りのビタミンAであるレチニルエステルは、毎日のスキンケアに取り入れてください。

例えば、デイリー使いの化粧水や美容液として取り入れると良いでしょう

「攻め」のビタミンAとは?

先ほどの守りのビタミンAとは反対に、「攻めのビタミンA」といわれているのが、「レチノール」「トレチノイン」です。

これらの成分はお肌を活性化させ、理想の状態へと導く美容効果が期待できるでしょう。

特に純粋レチノールやトレチノインが高濃度配合されているスキンケア製品には、高い美容効果が期待できます

その一方で、これらの成分は攻めのビタミンAと呼ばれているほど、刺激の強いものになっています。そのため、毎日のスキンケアには不向きです。

レチノールやトレチノインは、大切な予定の前や集中的にお肌の状態を改善したいときのスペシャルケアとして、期間を置いて使用することをおすすめします。

「守り」と「攻め」両方のアプローチが大切!

ここまで守りと攻めのビタミンAについてお話してきましたが、どちらか一方に偏るのではなく、バランス良く使い分けるのが美肌への近道です。

美容意識の高い方は、ついレチノールやトレチノインといった「攻めのビタミンA」ばかり使用してしまう傾向があります。

ずっと攻め続けるのではなく、通常は「守りのビタミンA」でスキンケアすることをおすすめします

お肌の調子が落ちてきたと感じたときには、「攻めのビタミンA」をスペシャルケアとして取り入れるのが、美容効果を引き出す正しいスキンケア方法です。

ビタミンAの効果を実感!人気のドクターズコスメブランドをご紹介

ビタミンAの効果を実感!人気のドクターズコスメブランドをご紹介
ビタミンA(レチノール)は、その美容効果の高さからドクターズコスメにも使用されています。ドクターズコスメとは、研究・開発に医師や医療機関が関わっている製品を指します。

ここでは、実際にビタミンAが含まれている、人気のドクターズコスメブランドをいくつかご紹介していきましょう。

ステップアップシステムで肌力を高める『エンビロン』

エンビロン
エンビロンは、形成外科医であるフェルナンデス氏によって、研究・開発されたドクターズコスメです。

日本では1991年に発売されて以来、日本人のお肌に合ったスキンケアとして人気を集めています。

現在では、日本国内の美容サロンや専門機関、おおよそ1,800以上で取り扱いがされています。

エンビロンは、低濃度から高濃度までのビタミンA(レチノール)を配合したスキンケア製品を数多くラインナップしています

個人のお肌のお悩みや状態に合わせ、オーダー感覚のスキンケアを行えるでしょう。

肌状態に適した形でビタミンA(レチノール誘導体)の供給量を増やしていくことで、レチノール反応を抑えながら健やかな肌のコンディションを保てるようサポートします。

ビタミンAが配合されたスキンケア製品は多々ありますが、初めて使うのであればエンビロンがおすすめです。

わかりやすいステップアップシステムを採用しており、ゆっくりと「守りのビタミンA」を供給できます。

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エイジングケアを目指すなら『リビジョンスキンケア』

リビジョンスキンケア
リビジョンスキンケア(REVISIONSKINCARE)は、アメリカのテキサス州ダラスで、30年以上にわたって研究・開発されているドクターズコスメです。

数ある成分の中でもペプチドにいち早く注目したスキンケアブランドであり、現在では20種類以上のペプチド成分の特許を取得しています。

リビジョンスキンケアの数ある製品ラインナップの中でも、「Aアドバンスシリーズ」は、これまでにない新発想のレチノール化粧品ラインです。

純度が高く安定したピュアレチノールを使用し、キメを整えてふっくらとなめらかなお肌に導きます。


Aアドバンスシリーズには0.5%と1.0%の2種類のレチノール濃度があり、お肌の調子をチェックしながら、自分に合った製品を選ぶことが可能です。

「DEJナイトフェイスクリーム」にも、0.25%のレチノールが配合されています。高濃度レチノールでありながら、通常使用が可能です。

普段はDEJナイトフェイスクリームを使用して守り、お肌の状態が気になるときにはAアドバンスシリーズで攻めるといった使い分けができるでしょう。

麗ビューティーのリビジョンスキンケアの詳細はこちら

医療機関専用のスキンケアプログラム『ゼオスキン』

ゼオスキン
ゼオスキンとは、ビバリーヒルズを拠点として活躍している皮膚科医のオバジ氏が開発した、医療機関専用のスキンケア製品です。

ゼオスキンは、進化したバイオテクノロジーで、厳選した高濃度成分を惜しみなく配合しています。

そのときのお肌の状態に合わせて、あらゆる角度からプログラムをカスタマイズできる製品を揃えているのが特徴です。


ゼオスキンには、3つのプログラムがあります。

具体的には、肌質の改善を目的とした人気のプログラム「セラピューティックプログラム」、初めての方におすすめの副作用が起きにくい「基本コース」、セラピューティックプログラム終了後に継続する「高濃度レチノールコース」の3つから、医師の指導のもと、効果的なプログラムを組み合わせていきます。

ゼオスキン製品の中でビタミンAが配合されているのは、「ゼオスキンヘルスデイリーPD」と「ゼオスキンヘルスRCクリーム」です。

また、これらを用いたセラピューティックプログラムでは、「トレチノイン」という強いビタミンA誘導体が使用されます

麗ビューティーのゼオスキンの詳細はこちら

ビタミンAを含むコスメを使う前に!知っておきたい成分の違い

ビタミンA(レチノール)が含まれたスキンケア製品をチェックしていると、似ている名称や同じような美容効果がある成分を目にするかもしれません。

ビタミンAと似ている成分と、その違いについて解説していきます。

ビタミンAとビタミンA誘導体の違い

スキンケア製品の成分の中には、ビタミンAの他に「ビタミンA誘導体」という名称もみられます。

まずビタミンAとは、これまでお話してきた通り、シワ・シミの改善やニキビの予防などに効果を発揮してくれる成分です。

一方、ビタミンA誘導体は、ビタミンAの構造を変えた成分です。

構造を変えることによって、ビタミンAの美容効果をより高めたり、貯留しやすくしたりすることが可能です。

ビタミンAはレチノールの一種類だけですが、ビタミンA誘導体にはレチノイン酸やレチニルエステルなど、さまざまな種類があります。

トレチノインとレチノールの違い!処方箋が必要な製品が存在する理由

トレチノインとは、ビタミンA誘導体の一種で、別名では「レチノイン酸」とも呼ばれています。

ビタミンAとビタミンA誘導体は、成分の種類によってその強さが変わります。 具体的に強さを示すと、以下の通りです。
トレチノイン(ビタミンA誘導体)>ビタミンA(レチノール)・薬用化粧品に使用可能>酢酸レチノール(ビタミンA誘導体)>バルミチン酸レチノール(ビタミンA誘導体)
トレチノインは最も強く、ビタミンA(レチノール)のおおよそ50~100倍もの美容効果が期待できるでしょう。

日本では現在、トレチノインを含む化粧品は、ドラッグストアや通販で購入することができません

しかし、一部のドクターズコスメにはトレチノインが含まれており、クリニックで処方を受けることで購入が可能になります。

クリニックのカウンセリング後でないと購入できないドクターズコスメには、処方が必要なトレチノインが含まれているといった事情があるのです。

処方箋が不要であり、美容効果の高いスキンケア製品を購入したい場合には、ビタミンA(レチノール)を含んだものを選ぶと良いでしょう。

ビタミンAの美容効果に不安がある方はクリニックへご相談ください

ビタミンAの美容効果に不安がある方はクリニックへご相談ください
ビタミンAは、優れた美容効果が期待できる成分ではあるものの、レチノール反応と呼ばれる副作用が発生するケースも考えられます。

自分のお肌にビタミンAが合っているのかを含め、美容効果に不安や疑問を抱いたのであれば、プロに相談してみましょう。

麗ビューティークリニックならば、専門的な知識を持ったスタッフのカウンセリングを受けることができます。

カウンセリングはオンラインでも実施しているため、遠方に住んでいる方も気軽にご利用いただけるでしょう。

麗ビューティークリニックのオンラインサイトでは、ビタミンAを含むドクターズコスメの販売も行っているので、ぜひチェックしてください。

麗ビューティーが販売するドクターズコスメの詳細はこちら

▼記事監修医師
 麗ビューティー皮フ科クリニック
 院長 居原田 麗

滋賀県草津市生まれ。2006年に国立滋賀医科大学を卒業後、2011年に「麗ビューティー皮フ科クリニック」を開院。
「日本美容皮膚科学会」「日本美容外科学会」正会員。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会」認定医。