近年、注目されているドクターズコスメですが、種類が多くて何を選べば良いのかわからないという方は少なくないでしょう。
ドクターズコスメは効果が高いことで有名ですが、その反面、相性の悪いアイテムを選んでしまうと、思っていたような効果が得られないかもしれません。
実際に購入する前に、ご自身に合ったアイテムを選ぶ方法を把握しておきましょう。
今回は、SNSでも話題のドクターズコスメ『エンビロン』について、効果や使い方、ゼオスキンとの違いまで、詳しくご紹介します。
エンビロン(ENVIRON)とは?
エンビロン(ENVIRON)は、1987年に形成外科医であるフェルナンデス氏によって、研究・開発されたドクターズコスメです。
皮膚がん研究で知られるフェルナンデス氏は、長年の研究の中で、紫外線から肌を守るためには『ビタミンA』が有用であることに気付きました。
南アフリカ共和国で販売されたエンビロンは瞬く間に有名になり、現在は世界70ヵ国以上で愛用されています。
エンビロンの大きな特徴は、「高濃度のビタミンAが配合されている」という点です。
エンビロンに含まれるビタミンAの効果で、肌の乾燥やニキビといった、さまざまな肌トラブルの解消が期待できます。
ゼオスキンとの違い
『ビタミンA』を含むドクターズコスメといえば、ゼオスキンが有名です。
エンビロンもゼオスキンも、肌機能を向上させることで肌トラブルの解消を期待するというコンセプトは同じですが、『A反応』の出方が異なります。
A反応とは、ビタミンAを取り込むことで、稀に発生する肌トラブルのことです。
乾燥やかゆみ、赤みやほてりといった症状が一般的で、ビタミンAに慣れるまでの一時的な反応を指します。
ゼオスキンは、“攻めのビタミンA”と呼ばれるレチノールが配合されている製品を織り交ぜながら、主に肌質改善を目的として使用されます。
一方、エンビロンには、“守りのビタミンA”と呼ばれるレチニルエステル(パルミチン酸レチノールや酢酸レチノールなど)が配合されています。
ゼオスキンで使用されているレチノールは、あえて強いA反応で肌再生を促すため、赤みや皮むけなどが起こりやすく、使用中は紫外線に敏感な状態になります。
エンビロンで使用されているレチニルエステルは、美肌に導くことはもちろん、レチノールとは逆に、老化の原因とされている紫外線に強い肌を作るために不可欠な成分だといわれています。
強いA反応が起こらないからといって、エンビロンでは得られる効果が弱いというわけではありません。
エンビロンは、“守りのビタミンA”を初めは濃度の低いものから使用し、徐々に濃度を上げることでA反応を極力軽減。
じっくり、しっかりとビタミンAを肌に補給していくことができます。
エンビロンの効果について
エンビロンの優れた点は、一人ひとりの肌に合った製品が選べるという点です。
初めてエンビロンを使用する場合には、まずはクリニックでカウンセリングを受診しましょう。
肌トラブルが発生しにくく、より高い効果が期待できます。
一般的なコスメの場合は、乾燥を防ぐ目的で使用されますが、エンビロンの場合は肌質の改善を目指します。
美容成分を塗布して保湿するだけでなく、機能向上を目指して肌を鍛え上げるため、美しいだけでなく健康的な肌を目指せるのです。
紫外線による「光老化」を防ぐ
肌が老化する原因の80%は、紫外線によるダメージにあるといわれています。
紫外線による老化は『光老化』と呼ばれていて、肌が保有する弾力繊維(コラーゲンやエラスチン)を破壊したり、シミの元になるメラニン生成が促進されることで、老化が加速します。
老化を防ぐには、紫外線から受けたダメージをケアできる、ビタミンAの補給が必須です。
ビタミンAには、肌が受けたダメージを修復したり、肌に潤いや弾力を与えたりする効果があり、さらに紫外線そのものに対して肌が強くなる効果が期待できます。
角質層まで浸透しやすいエンビロンなら、効率的にビタミンAを摂取できます。
エンビロンで継続的にビタミンAを摂取して、光老化を防ぎましょう。
シミ・ニキビの改善
紫外線ダメージに対抗するだけでなく、エンビロンには、シミやニキビの改善も期待できます。
ビタミンAは、メラニンの生成を抑制します。
シミの原因となるメラノサイトの働きを正常化できるため、シミの発生を防ぐ効果が期待できるのです。
また、ビタミンAは皮脂の過剰分泌を防ぐ働きも持つため、毛穴詰まりを防いで、毛穴の開きやニキビの発生を抑えます。
シミやニキビといった肌トラブルが解消されることで、健康的で明るい印象の肌に生まれ変わります。
顔全体がトーンアップして、周囲に若々しい印象を与えられるでしょう。
エンビロンの使い方
基本的に、エンビロンは一般的なコスメと同じように使用できます。
洗顔料をはじめ、トーナーや保湿ジェル(保湿クリーム)、サンケアといった4種類のアイテムを使用します。
使用量については、推奨量を守って使用してください。
また、エンビロンには推奨のビタミンAレベルが設定されていて、必ずご自身の肌に合った製品を選ぶ必要があります。
ビタミンAレベルについては、当クリニックにお問い合わせください。
使用する順番について
エンビロンの基本ラインには、「モイスチャーシリーズ」と「C-クエンスシリーズ」の2種類があります。
美しい肌を手に入れたい方には「モイスチャーシリーズ」、より高機能で早い結果を望む方には「C-クエンスシリーズ」がおすすめです。
どちらのシリーズも、「トーナー」、「保湿ジェル(セラム)」、「クリーム」が基本となり、その他に朝晩に使える洗顔料や日中に欠かせないサンケアなどを組み合わせていきます。
エンビロンの使用に関して、難しい手順は必要ありません。
洗顔で肌の状態を清潔にした後で、トーナーや保湿ジェル(保湿クリーム)を肌に押し込むように、優しく塗布してください。
外出を予定している場合は、最後の仕上げにサンケアアイテムを肌に塗布します。
レチノイド反応(A反応)が起こってしまう理由
エンビロンに限らず他のドクターズコスメにおいても、ビタミンAを肌に塗布すると、稀にレチノイド反応(A反応)が起こることがあります。
エンビロンは、比較的A反応が起こりにくいといわれていますが、A反応が起こらないとはいえません。
A反応は、ビタミンAが不足した状態の肌に補給することで、新陳代謝が急速に促された結果、起こる反応です。
肌が赤みを帯びたりかゆみが発生したりすると不安になりますが、アレルギーのような危険な症状ではないので、安心してください。
基本的に、A反応は自然に治まることがほとんどです。
エンビロンであれば、1~2週間程度で症状が治まることが多いので、驚いて使用を中断しないようにしてください。
A反応が起こっている間は、紫外線対策を行ったり、熱湯ではなくぬるま湯で洗顔したりと、なるべく肌に刺激を与えないように過ごしましょう。
エンビロンを効果的に使用するために
エンビロンでは、スキンケアアイテムの効果を十分に引き出すために、独自の『ステップアップシステム』を推奨しています。
ステップアップシステムに沿ってエンビロンを使用することで、効果を引き出せるというだけでなく、A反応が起こりにくくなります。
また、この基本ラインのうち「モイスチャージェル」、「モイスチャークリーム」、「C-クエンスセラム」には、製品によって番号が振られています。
これは、ビタミンAの濃度の違いで、段階的に変えていくエンビロン独自のステップアップシステムです。
ビタミンA不足によるA反応(赤みや皮むけ)をできるだけ避けながら、肌に欠かせないビタミンAの濃度を徐々に増やすためのステップアップ。
ステップアップ方法は肌の状態によっても変化しますので、迷った場合はご自身で判断せずに、ぜひ一度当クリニックにご相談ください。
ステップアップシステムとは
『ステップアップシステム』とは、肌の状態に合わせて、使用するエンビロンをレベルアップさせるシステムを指します。
ビタミンAレベルは、細かく7段階に分かれています。
ビタミンAが配合されている製品それぞれにビタミンAレベルが設定されていて、肌の状態に合わせて製品を選んでいきます。
初めてエンビロンを使用する場合の基本ラインとしては、「モイスチャーシリーズ」を選択した場合は「モイスチャージェル1」、「モイスチャークリーム1」。
「C-クエンスシリーズ」を選択した場合は「C-クエンスセラム1」、「C-クエンスクリーム」からスタートします。
肌の状態にもよりますが、順調なら同じアイテムを2、3本使い切った時点で、次のレベルへと進みます。
A反応の発生を抑えるためにも、レベルを上げる際には、焦らずにゆっくりとアイテムを切り替えましょう。
エンビロンの種類と選び方
エンビロンには、基本の『モイスチャーシリーズ』から高保湿の『Cークエンスシリーズ』まで、さまざまなシリーズが存在します。
また、それぞれビタミンAの濃度を調整しながら使用するため、エンビロンと一口にいっても、ご自身が使用するアイテムが他の方と同じだとは限りません。
エンビロンでは、シリーズの他にも、敏感肌やポイントケア、フォーカスケアやボディケアなど、肌質や目的に合わせて使い分けることが可能です。
エンビロン製品は、3つのセグメントを柱として構成され、それぞれ目的に合わせたシリーズを選んで使用します。
基本アイテムの「モイスチャーシリーズ」や「C-クエンスシリーズ」などの「エッセンシャルセグメント」シリーズは、使用を継続し、そこに肌の悩みに合わせて「フォーカスケアセグメント」シリーズなどを追加します。
最後のケアとしては、「イーブンモアケアセグメント」で紫外線から肌を守ります。
ご自身に合ったアイテムを選ぶためには、エンビロンに関する十分な知識と、肌の状態を見極める必要があります。
エンビロンの購入を希望する方は、まずは麗ビューティー皮フ科クリニックにご相談ください。
当クリニックでは、オンライン診療を行っております。
遠方の方も来院せずにご相談いただけるので、お気軽にお利用ください。
エッセンシャルケアセグメント
エッセンシャルケアセグメントは、ビタミンAをはじめとする有効成分・整肌成分を補給するためのラインナップであり、健やかな肌に導くための基本となるアイテムです。
シリーズにはいくつかの種類があり、ご自身の肌質に合わせて選んでいただけます。
ここでは、それぞれのシリーズについて簡単にご紹介します。
有効成分をしっかりと肌に届けるために、毛穴に溜まった皮脂や黒ずみ、不必要な角質を取り除き、なめらかで健康的な肌に整えるシリーズです。
肌質や乾燥感などによって製品を選ぶと、より効果的です。
エンビロンを初めて使う方におすすめの基本ラインです。
すべてのスキンタイプの方にお使いいただけます。
ジェル・クリームそれぞれにビタミンAレベルが設定されているので、レベルが低いものから徐々にステップアップしていきます。
エンビロンの最高峰ラインです。
ビタミンAのみならず、エイジングケアに有効なペプチドをふんだんに配合しています。
ツヤやハリ、弾力のある若々しい肌へと導きます。
セラム・クリームにビタミンAレベルが設定されているため、段階的なビタミンAのステップアップが可能です。
フェイスケアだけでなく、ボディにもこだわる方におすすめのシリーズです。
一部の商品は、ボディだけでなく顔にも使用できる製品が用意されていて、他のシリーズとの組み合わせで、より効果的なケアが可能になります。
フォーカスケアセグメント
フォーカスケアセグメントは、さまざまな肌の悩みに合わせた製品での集中ケアが可能です。
エッセンシャルセグメントを基本として、このフォーカスケアセグメントを併用することで、エンビロンのポテンシャルをさらにアップさせます。
肌質や目的別に、それぞれのシリーズから選んでいただけます。
皮脂トラブルに着目したシリーズです。
オイリー肌や皮脂トラブルによる、肌荒れ・にきびなどを気にする方におすすめです。
不要な角質を除去し、毛穴の詰まりを改善しながら皮脂のバランスを整えます。
季節や女性特有のゆらぎ肌に着目したシリーズです。
敏感肌や乾燥肌の方におすすめです。
ゆらいで低下したバリア機能をサポートし、外的刺激から肌を守ります。
肌にうるおいを与え、みずみずしいツヤのある肌へと導くシリーズです。
乾燥肌にお悩みの方におすすめのシリーズです。
肌が本来持つ保湿力を高め、うるおいを持った健康的な肌へと導きます。
ブライトニングに特化した成分を贅沢に配合した、集中ケアシリーズです。
くすみや乾燥に直接アプローチし、透明感・輝きのある素肌へと導きます。
エッセンシャルセグメントとの併用で、より高い効果が得られます。
年齢を感じさせるくすみ、ハリ不足などのエイジングサインに特化した集中ケアシリーズです。
弾むような弾力とうるおいをもたらし、若々しい印象に整えます。
独自のセルフトリートメントで、スキンケアの効果をさらに高め、“自宅で簡単に短時間で”贅沢なお手入れを行う、セルフトリートメントツールのシリーズです。
エンビロンの美容成分を、角層の奥まで届けることが可能に。
イーブンモアケアセグメント
肌の負担を考えながら、老化の大敵である紫外線ダメージと闘うサンケアシリーズです。
ビタミンAで肌の紫外線に対する防御力を高めながら、最低限のサンケア商品で肌への負担を最大限抑えた製品です。
科学的に研究され、肌への負担を極限まで減らしながら、紫外線防止成分と美容成分をバランス良く配合したサンケアシリーズです。
紫外線A派・B派などの光ダメージから、しっかりと肌を守ります。
肌の悩みに寄り添うエンビロン
エンビロンは、一人ひとりの肌に合った製品を選ぶことで、より高い効果を引き出すことができます。
また、ビタミンAの濃度を細かく調整することで、A反応の発生を抑えながら、効果的に肌の状態を整えることが可能です。
ニキビやシミといった肌トラブルを解消したいという方や、肌トラブルを予防したいと考えている方は、ぜひドクターズコスメのエンビロンを試してみてください。
従来のスキンケアアイテムでは得られなかった効果を実感できるはずです。
エンビロンについてさらに詳しく知りたいという方は、下記ページをご覧ください。
麗ビューティー皮フ科クリニック
院長 居原田 麗
滋賀県草津市生まれ。2006年に国立滋賀医科大学を卒業後、2011年に「麗ビューティー皮フ科クリニック」を開院。
「日本美容皮膚科学会」「日本美容外科学会」正会員。「日本アンチエイジング外科・美容再生研究会」認定医。