女性に嬉しいビタミンDの美容効果について解説
「ビタミンCが美容に良い」という話は有名ですが、「美容のためにビタミンDを積極的に摂取しましょう」という話しはなかなか耳にしないものです。

実は、ビタミンDにも優れた美容効果がたくさんあります。

今回は、ビタミンDが持つ美容効果や1日の推奨摂取量、接種する際のポイントをご紹介します。

お肌に良い成分をたくさん取り入れたいという方は、ぜひ参考にしてください。




ビタミンDとは?

ビタミンには水溶性と脂溶性の2種類存在しますが、ビタミンDは油に溶けやすい性質を持つ「脂溶性ビタミン」の一種です。

カルシウムの吸収をサポートしたり、骨の形成に影響を及ぼしたりすることから、運動習慣のある方や高齢者には欠かせない成分であるといわれています。

通常、ビタミンの多くは体内で生成することができず、食材からわずかな量しか摂取できません。

しかし、ビタミンDは「体内で生成できる」という珍しい特性を持っています

ビタミンDを積極的に摂取したい場合には、食事をとるだけでなく、定期的に日光を浴びると良いでしょう。

ビタミンDの美容効果

ビタミンDの持つ美容効果とは
健康のためにも積極的に摂取することが推奨されているビタミンDですが、美容面ではどのような効果が期待できるのでしょうか。ビタミンDに期待できる美容効果を4つご紹介します。

①肌荒れやニキビを予防・改善

抗酸化作用を持つビタミンDには、体内だけでなく、お肌で起こる炎症を抑える働きがあります。

ニキビは毛穴の中で細菌が増えることで発生し、小さな発疹からやがて炎症が起こり、赤みや膿を持ちます。

ビタミンDの抗酸化作用でお肌の炎症を抑えることで、ニキビを予防したり、改善したりする効果が期待できるでしょう。

ビタミンDは、紫外線や細菌からお肌を守る「抗菌ペプチド」も産生できるため、肌荒れやニキビが起こりにくい、美しく健康なお肌づくりに役立ちます。

②シワやたるみの発生を防ぐ

ビタミンDは、カルシウムの吸収をサポートして、体の土台となる骨の形成に影響を与える成分です。

また、お肌のハリや弾力に欠かせないコラーゲンの生成にも関わることから、シワやたるみを防ぐ効果が期待できます。

ビタミンDを積極的に摂取することでお顔の骨密度が上がり、筋肉を支える力が高まって、お肌にハリや弾力をもたらします。

骨と皮膚は一見繋がりがないように見えますが、シワやたるみを防ぐためには、お顔の骨密度や筋肉量を保つことも大切です。

シワやたるみのないお顔を目指したいという方は、皮膚だけでなく、骨や筋肉の健康にも注意しましょう。

③くすみを解消してお肌のキメを整える

ビタミンDには、ターンオーバー(お肌が生まれ変わるサイクル)を促進する働きも期待できます。

古くなった皮膚が角質となって剥がれ落ち、新しい皮膚が誕生することで美しく健やかなお肌を維持していますが、このサイクルが乱れると古い角質が溜まってしまい、キメが粗くなったり、くすみが発生したりとさまざまな肌トラブルを引き起こします。

お顔のトーンが暗く見える、化粧ノリが悪くなったという方は、ビタミンDの働きでターンオーバーを促進させ、くすみのないキメ細やかなお肌を目指しましょう。

④お肌のバリア機能を高める

「抗菌ペプチド」を産生できるビタミンDには、お肌のバリア機能を高める効果も期待できます。

表皮の角質がもつバリア機能を高めることで、体内の水分が蒸発するのを防ぎ、お肌のうるおいを守ります。

また、空気中の埃や細菌、活性酵素といった外的要因からお肌を守る働きも強化されるため、肌荒れも起こりにくくなるでしょう

加齢によってお肌の乾燥が気になり始めたという方や、元々乾燥肌や敏感肌だという方は、バリア機能が低下している可能性があります。

ビタミンDを積極的に摂取して、美しく健康なお肌を目指しましょう。


ビタミンについてさらに詳しく知りたいという方は、下記ページもご覧ください。

関連ページ:ビタミンCはお肌に良い?美容効果や健康効果、摂取するポイントや注意点を徹底解説


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ビタミンDの1日の推奨摂取量

18歳以上の成人に対し、厚生労働省は1日あたり8.5μgを目安にビタミンDを摂取するよう推奨しています。

しかし、実際の摂取量は、7μgに満たないといわれていて、日本人の多くは日常生活の中で自然に摂取することは難しいです。

年齢が低いほどビタミンD不足が深刻だという意見もあり、若い方ほど注意が必要です。

十分量摂取したい場合は、1日あたり25〜50㎍必要だといわれているので、健康だけでなく美容目的でビタミンDを取り入れたいという方は、生活習慣を見直しましょう。

女性はビタミンDが不足しやすいといわれる理由

ビタミンDが不足する理由
国内では、女性のビタミンD不足が懸念されています。なぜ女性の体はビタミンDが不足しやすい傾向にあるのでしょうか。その理由をご紹介します。

過剰な紫外線対策

食品の中にもビタミンDは含まれていますが、十分な量を摂取することは難しいため、日光を浴びて体内で生成する必要があります。

しかし、外出が少ない上に紫外線対策に力を入れていると、日光を浴びることができずにビタミンDを生成することが難しくなってしまいます

日焼け対策や老化対策のために紫外線を避けることも大切ですが、過剰に紫外線対策を行うとビタミンDが不足するという点には注意しましょう。

食生活の変化

ビタミンDは魚に多く含まれていますが、近年は魚を頻繁に食べるという方は少なくなっています。

日本人全体が魚を食べなくなっている上に、女性は男性に比べると食事の量が少ない方が多いため、特に不足しやすいといわれています。

ビタミンDを積極的に摂取したいという方は、魚を食べる習慣を身につけましょう。

体内のビタミンDを増やす方法

美容にも健康にも欠かせないビタミンDですが、積極的に増やそうという意識がなければ、十分な量を摂取することは難しいといえます。体内のビタミンDは、どのような方法で増やすことができるのでしょうか。詳しく解説します。

日光を浴びる

体内のビタミンDを増やすために最も手軽な方法は、日光を浴びることです。

紫外線には、UV-A・UV-B・UV-Cの3種類ありますが、ビタミンDの生成を促せるのは「UV-B」です。

UV-Aには窓やガラスを透過するという特性がありますが、UV-Bは室内には届きません。

そのため、日光浴でビタミンDの生成を促したい場合には、外に出る必要があります。

週に3日、15〜30分程度を目安に、外に出て日光浴を行いましょう。

食事から摂取する

魚やキノコ、乳製品にビタミンDが多く含まれています。

食事からビタミンDを摂取したい場合には、鮭やさんま、ウナギやイワシといった魚類を積極的に口にすると良いでしょう。

牛乳やヨーグルト、チーズや舞茸、しめじや椎茸といった食材もおすすめです。

脂溶性のビタミンDは油に溶ける性質を持っているため、油炒めにすると効率良く摂取できます。

サプリメントで摂取する

体内のビタミンDを増やしたいけれど、老化対策のために紫外線は浴びたくない。魚や乳製品は苦手で口にできないという方もいるでしょう。

そんな方におすすめなのが、サプリメントです。

ビタミンDを摂取できるサプリメントはたくさん販売されているため、身近な場所で簡単に入手できるという手軽さが魅力です。

サプリメントには、主にビタミンD2とビタミンD3の2種類ありますが、体内で生成されるのと同じ「ビタミンD3」を含むサプリメントがおすすめです。


ビタミンについてさらに詳しく知りたいという方は、下記ページもご覧ください。

関連ページ:ビタミンAの美容効果とは?副作用や注意点、おすすめのコスメをご紹介


ビタミンDを摂取するポイント

ビタミンDの摂取方法
せっかくビタミンDを摂取しても、上手く活用できなければ意味がありません。ビタミンDを摂取する前に、知っておきたい注意点をいくつかご紹介します。

食後に摂取する

サプリメントから効率良くビタミンDを摂取したい場合は、食後に飲むことをおすすめします。

油に溶ける性質を持つビタミンDは、脂肪を含む食事と相性が良く、吸収率をアップさせることができます。

朝と夜、特定の時間帯が作用に影響するということはなく、大切なのは「食後」に摂取するという点です。

空腹時は避けて、なるべく食事のタイミングで摂取するように心がけましょう。

油と一緒に摂取する

脂溶性ビタミンの一種であるビタミンDは、油を含む食事と一緒に摂取すると吸収率がアップします。

食事を用意する際には、炒め物や揚げ物を選択すると良いでしょう。

脂っこい食べ物は口にしたくないという場合には、サラダに油を含むドレッシングをかけるといった工夫がおすすめです。

オリーブオイルやMCTオイルでも吸収率をアップさせられるので、炒め物や揚げ物が苦手だという方は、調理不要で口にできる良質なオイルを試してみてください。

過剰摂取に注意

日光浴や食事でビタミンDの過剰摂取が起こることはありませんが、サプリメントは注意が必要です。

ビタミンDを摂取し過ぎると、心臓や血管、腎臓に障害を起こす「高カルシウム血症」を発症する危険性があります。

メーカーが推奨する量を守ることで過剰摂取を防げますが、複数のサプリメントを使用している場合は配合量に注意してください。

1日の摂取量を正しく守って、健康的にサプリメントを活用しましょう。

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ビタミンDの効果に関する記事のまとめ
肌荒れの改善やシワの予防など、多くの美容効果を持つビタミンDですが、女性は不足しがちだといわれています。

体内に上手くビタミンDを取り入れたいという方は、サプリメントを活用してみてはいかがでしょうか。

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▼記事監修医師
 麗ビューティー皮フ科クリニック
 医師 松村 迪

2015年東京女子医科大学医学部卒業。2020年より「麗ビューティー皮フ科クリニック」常勤医師として勤務。
「日本麻酔科学会」「日本皮膚科学会」正会員。